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弓と禅

2017.08.15

最近読んで楽しい本があったので紹介します。

 

オリゲン・ヘリゲルの弓と禅です。

 

オリゲン・ヘリゲル氏は哲学博士の学位を持ち、1924年に東北帝国大学講師になります。

そこで弓道に出会い、弓聖と言われる阿波研造(あわけんぞう)に弟子入り。

そこでの出来事、体験を記した本になります。

 

その中で、師匠である阿波研造はオリゲンに”無我”になることを求めます。

そこでオリゲンは

「”無我”では射ることができない。私が射らずに誰がするのか?」

と尋ねます。

すると、阿波は、

「”それ”が射るのです。”それ”が満のを待ちなさい」

そう答えます。

オリゲンもひかずに、

「”それ”ってなんですか?誰ですか?」

そう尋ねると、

「それがわかった時には私を必要としません」

こう答えられてしまうのです。

 

後日、オリゲンは負けずにさらに尋ねようと決心しますが、

「尋ねないで稽古しなさい」

と、何度もいわれた言葉しか引き出せないと思い、尋ねず稽古に打ち込んでいきます。

 

このような経験の中で、弓道とは競技ではなく、”道”であると感じ。

また、禅との関係を感じていくことになる。

……そのようなお話の本です。

 

いや~耳が痛い。(笑)

私も尋ねずに稽古します。

 

汎用性が高い内容だと思うので、どんな職業の方にもおすすめします。

興味がある方はぜひ。