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インナーゲーム

2020.07.23

先日と言ってももう、3、4ヶ月前ですが、ある患者さんに教えてもらった本が面白かったので紹介します!

その本は…

 

『新・インナーゲーム~心で勝つ!集中の科学~』

著者:W・Tガルウェイ

訳/構成:後藤新弥

 

まずこの本の内容ですが、テニスコーチとして新たな指導法を生み出した、著者W・Tガルウェイの指導方法をまとめた本です。

コーチングの本として有名で、ビジネスやスポーツ、セラピーなど様々なジャンルに応用が効く内容となっています!

 

当時テニスのコーチ法と言えば、模範的な型を知っているコーチが「教え込む」というもの。

著者であるガルウェイも「教え込む」指導をしていましたが、その指導をしていても成果がでない人がいたそうです。

その人達は教え込まれた言葉で頭がいっぱいになり、その言葉に縛られることで体の動きがドンドン悪くなる。

そのことに著者は気がつき、どのように指導するべきなのか考えました。

 

この事を整理して、

1)自分自身に話しかけ命令をする自分を「セルフ1」

2)話しかけられてその命令に従って体を動かす自分を「セルフ2」

 

この2つの自分がいることを発見しました。

 

「セルフ1」の命令には自己否定や恐れに根差しており、その声がない時「セルフ2」がノビノビしている時にいいプレーができる。

「セルフ2」を信頼すればするほど、「セルフ1」の声の口数が減っていき、本来の力を発揮できると考え、「教え込む」指導を辞めて新たな指導法を取り入れていった...。

そのような話となっています。

詳しく知りたい方はぜひ読んでみて下さい!!

 

私はこの本を読んで自分自身に命令や評価をする「セルフ1」とそれに従って行動する「セルフ2」という考え方が面白いし、鍼灸治療をしていて共通点があると思いました。

 

セルフ1は頭で考えたこと、理解したこと。(心)

セルフ2は体の感覚、本能的な感覚(体)

 

今は情報が溢れていて、症状を検索したり、病名を検索すると色々な情報が手に入ります。

その中には、〇〇が効果ある!〇〇をすれば治る!という情報や、〇〇はしてはいけない!

〇〇になると危険!という情報をもとに、行動をしてしまう。

 

また、症状がでる前の『普通』を今の自分に当てはめてしまう。

以前はそれをやっても体調を崩すことはなかった。以前だとこれぐらいは普通にできていた。

そう、頭で考えて選択・行動をしてしまう。

例えば、〇〇が痛いのは筋力低下が原因で、20回3セットを一日3回をやらなければならない!と考えてやる。

他に、時間だからといって3食食べたり、栄養素やカロリーのことのみを考えて食事をする。

このように頭で考えたこと(セルフ1)によって症状や体をコントロールしようとすると、思ったような結果にならないことが多いです。

 

もっと体の感覚(セルフ2)を大切にして、生活をすることで身体にいい変化が生まれることは多いと思います。

いつも決まったものを食べるのではなく、何を口にしたいかを自分の身体に聞いてみる。

一日3食に縛られずに空腹感を大切に過ごしてみる。

運動する場合には今の自分の身体にとってどれぐらいか、身体の感覚に従ってみる。

そういった感覚が大切ではないかと思います。

 

みんなの『普通』を頼りにするのではなく、自分の身体にあった『普通』を探してみましょう!