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暑さと東洋医学 その4

2018.07.26

ここまでの話

暑さと東洋医学その1

暑さと東洋医学その2

暑さと東洋医学その3

 

私がこの話を書き始めたら、東京は涼しくなってきました。(笑)

そんな事にはめげずに書いていきます!

今回も『暑邪・火邪』の特徴です。

 

2)傷津耗気しやすい

「津」とは東洋医学でいう体内にある生理的な水のこと。

「気」はエネルギーであり、身体を動かすガソリンみたいなものです。

 

東洋医学の古典にはこんな記載があります。

「暑則皮膚緩而腠理開」《霊枢・歳露論第七十九》

暑の気候だと皮膚が緩み、腠理が開くよ。by佐藤意訳

 

腠理とは汗腺のことで、暑いと皮膚が緩み、汗腺が開き、汗(津液)がでるということです。

東洋医学では汗(津液)がでる時に、気や熱も一緒に漏れていきます。

これによって、身体を正常に保つことができると考えているわけです。

 

「津液」が漏れると、身体の水分が減少するので症状として、

・喉が渇く、多飲

・尿量が減少し色が濃くなる

・便秘

などがあらわれます。

また、「津液」が少なくなると当然身体は補填しようとします。

東洋医学では「津液」を作るのに必要なのは「血」と考えているので、大量に発汗をすると、

血虚という状態になると考えています。

そうすると、筋肉がつりやすくなったり、目の疲れ、月経の異常などの症状があらわれることもあります。

 

次に「気」が漏れると、身体のエネルギーが減少するので、

・だるい、何となく疲れる

・息切れ

・意識障害

などがあらわれます。

 

これらの症状は、汗をかくとでる症状です。

ですが、東洋医学ではこんな考え方もします。

前回紹介しましたが、「燔灼」の特性がある『暑邪・火邪』

この邪にあたることで、体内で津液や気を焼いてしまい上記の症状があらわれると考えます。

 

夏場に何か症状が悪化する人は、暑い環境なので、「熱」の影響もあると思いますが、

津液の不足や血の不足、気の不足によって症状が悪化しているとも考えられるということです。