ここまでの話。
前回は八鋼の「寒熱」についてでした。
今回は「虚実」についてです。
「虚実」とは邪正の盛衰を知るための網。
”邪”とは”邪気”をさします。
”邪気”と聞くと怪しい感じがしますが、
いい換えたら病を起こす病理産物や冷えや熱などです。
”正”とは”正気”をさします。
”正気”をいい換えたら、抵抗力や自然治癒力、身体を正常に保つ力です。
ですから、”邪気の実”と”正気の虚”を知る網というわけです。
”邪気の実”が病の中心なら、それを取り除く治療を。
”正気の虚”が病の中心のなら、それを補う治療を。
”邪気の実”と”正気の虚”があるならそのウエイトを考え、合わせた治療を。
このように治療方針を組み立てていきます。
これを誤って、病に合っていない治療、
”邪気の実”に補う治療をすると、より”邪気の実”が強くなり、
”正気の虚”に取り除く治療をすると、より”正気の虚”が強くなります。
このように「虚実」も治療方針を決める為の大切な情報になります。