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やっぱり王道の養生がいちばん ― でも、それができないときもある ―

2025.10.08

「私が家でできることって何ですか?」


この質問、よく受けます。


私の答えはとてもシンプルです。
やっぱり王道の養生。


早寝早起き、バランスのとれた食事、適度な運動(たとえば散歩)、お酒を控えて、食事は腹八分目。
昔から言われてきた“当たり前のこと”ですが、どんなに時代が変わっても、これに勝るセルフケアはないと感じています。


けれど、問題は――
**「それがわかっていてもできないときがある」**ということ。
ここに、健康や養生のリアルな難しさがあります。


「できないとき」があるのは当たり前


不眠の人に「早く寝ましょう」と言っても、そう簡単にはいかない。
忙しすぎて散歩の時間を取れない人もいれば、ストレスでついお酒に頼ってしまう人もいます。


そんなときに「自分は意志が弱い」と責める必要はありません。
体が疲れていたり、心が張りつめていたりする時期は、“良いこと”であっても体が受け入れられないことがあるからです。


たとえば、
・疲れているのに無理して運動すると、余計にだるくなる。
・体が冷えているのにサラダばかり食べると、さらに冷える。
・間食を控えていたが、ストレスが溜まってある日爆食してしまう。


「正しい」とされることも、その人の状態に合わなければ負担になる
これを知っておくだけでも、心がだいぶ楽になります。


養生は「正しさ」より「続けられる形」に


養生は「こうすれば健康になる」というマニュアルではありません。
むしろ、自分の体の状態に合わせて“続けられる形に整えていく”こと。


早寝が難しいなら、「夜中にスマホを見ない」だけでもいい。
運動がつらいときは、「通勤の階段を使う」でもいい。
完璧を目指すより、できる範囲で続けることがいちばん効果的なんです。


体が少し整うと、心も軽くなる。
心が落ち着くと、また体が動きやすくなる。
この循環が生まれたとき、初めて“養生が身についてきた”といえるのかもしれません。


感覚が鈍っているときは、人の知恵を借りる


本来、体は自分にとって良いもの・悪いものをちゃんと教えてくれます。
眠気、食欲、疲労感、ため息――
それらはすべて“身体の声”です。


でも、ストレスや情報の多さの中で、私たちはその声を聞き取りづらくなっています。
「何をすればいいのか」「何が気持ちいいのか」がわからなくなる。


そんなときは、無理せず他人の知恵に頼っていいと思います。
東洋医学の専門家、栄養士、トレーナー、カウンセラー。
その人の視点を借りながら、自分の体の声を思い出していく。
それも立派な“自分らしい養生”です。


まとめ ― 養生は“自分のリズム”を取り戻すこと


王道の養生――早寝早起き、バランスの良い食事、運動、節制。
どれも基本中の基本です。
でも、私たちはいつも完璧ではいられません。


だから大事なのは、「王道を無理なく続ける工夫」
できない日があってもいい。少しずつ戻せばいい。


養生とは、がんばることではなく、自分の心と体のリズムを取り戻すこと
そのバランスが整ったとき、自然と体は軽くなり、気持ちも穏やかになります。


結局のところ――
やっぱり王道の養生がいちばん。
けれど、その王道を「自分のペースで歩けるように整える」ことこそが、いちばんの近道なのかもしれません。