前回(『五月病 その1』)は西洋医学の立場で『五月病』をどのように考えるかについてでした。
今回は東洋医学の立場で『五月病』をどのように考えるのか…です。
まず、東洋医学では”天人合一(てんじんごういつ)”といって、人間は天地の間に生じ、自然界に起きることは人間の体の中でもおき、また自然界の影響を受けるという考え方があります。
例えば、身体のふるえやチック症状は”内風(ないふう)”といって体の中で風が起こりそのによる症状ととらえています。
また、雨が降ったり、気圧の変化によって体調が変わることは、自然界の影響を受けていると考えているわけです。
東洋医学にはこのような前提があり、『五月病』を東洋医学的に理解しようと思って場合は、”春の季節の影響を受けた身体”に引っ越し、進学、転勤などの環境の変化の要因が加わったために様々な症状がでると捉えるわけです。
次に、春になると身体にどのような影響を与えるのか。
春は日が伸びて、暖かい日が増え、草花は伸びて、夏に向けてエネルギーが満ちていく季節です。
身体も同じようにエネルギーが満ちていき、活動が活発になっていきます。
またメンタル面も活発になり、やる気が満ちていきます。
このような状態になることで、普段より頑張れたり、疲れを感じずらくなってきます。
また、少々の睡眠が足りなくても回復したような感じがするようなこともあります。
この”春の身体”をコントロールできないと、やる気が空回りし俗にいう”力む(りきむ)”状態になります。
その結果、過緊張になり体では凝り感を感じたり、頭痛や睡眠が浅くなるなどの症状がでたり、精神面ではイライラしやすくなったりします。
この状態が続くことで、身体はどんどん悪い方向に進んで行きます。
自然界で草花が伸びていくときには、水と土の栄養が必要なように、身体の中でも同じことが起きていきます。
過緊張の状態が継続することで、身体の中の”土”と”水”の部分が弱っていくと。。。。。
というわけですが、長くなったので続きは次回。
ここから先に東洋医学の施術のポイントと予防に対する考え方が詰め込まれる重要な考え方です。