ここまでの話。
前回は西洋医学の医者や博士の経験から月と身体の関係をご紹介しました。
今回から東洋医学・鍼灸医学の立場からお話をします。
東洋医学の聖典といわれている、『黄帝内経』の中から紹介していきます。
まずは、黄帝内経・素問「八正神明論篇(26)」
”月始生.則血氣始精.衞氣始行.月郭滿.則血氣實.肌肉堅.
月生無寫.月滿無補.月郭空無治.是謂得時而調之”
意訳すると…
”月が生じ始めると、気血が徐々に盛んになり、身体を守る気が良く巡る。
満月になると、気血は充実し肌肉が十分に養われるんだよ。
月が生じ始める時は攻めの治療はせず、満月の時は守りの治療はせず、新月のときは治療しない。
これが天の気に従って気血を調える方法だよ。 by佐藤意訳
月の満ち欠けと気血の量について述べ、気血が量によって治療方針が異なることをいっています。
自然界の変化と身体の変化することを認識し、治療を変えていたことがわかります。
若干、西洋医学の先生の見解を重なる部分もあるように感じます。