ここまでの話。
今回も『黄帝内経』の中から紹介します。
黄帝内経・素問「繆刺論篇第(63)」
”…以月死生爲數.
月生一日一痏.二日二痏.十五日十五痏.十六日十四痏”
意訳すると…
”鍼を刺す数は、月の生死(満ち欠け)によります。
月が生まれて1日目は1本、2日目は2本、15日目は15本、16日目は14本” by佐藤意訳
繆刺論(びゅうしろん)とは刺絡(しらく)という出血をさせる治療法について記載されています。
痏(い)とは傷という意味があり、出血させるために傷をつけたようです。
また、その傷の数は15日の満月を境目に数が減っています。
これは月の満ち欠けが気血に影響しているからだと考えられます。
「月をみてこの数通りに治療をしなさい!」
という意味より、
「気血の盛衰に注意して刺絡をするべきだ。
その1つの物差しに月の満ち欠けがあるよ」
という意味だと私は思います。
このように血を失う治療法をする時に、月の満ち欠けを重要としていたわけですね。