
ここまでの話。
まだまだ続きます!
今回は黄帝内経・霊枢「歳露論(79)」
”故月滿則海水西盛.人血氣積.肌肉充.皮膚緻.
毛髮堅.腠理郄…其入淺不深
至其月郭空.則海水東盛.人氣血虚.其衞氣去.
形獨居.肌肉減.皮膚縱.腠理開.毛髮殘.腠理薄…則其入深.”
意訳すると…
”満月の時に気血が充実し、肌肉が充ち、皮膚が密になり、毛が充実し、
腠理が閉じ、 外邪が深く入れない。
新月の時は、気血が弱り、身体の守りは弱くなり、肌肉は減り、皮膚は荒くなり、
腠理は開き、毛が薄くなり、外邪が深く入る” by佐藤意訳
「歳露論」では今まで同様、月の満ち欠けと気血の盛衰について。
他に、気血と身体を襲う外邪(風邪や気候など体外からの影響)との関係について記載しています。
ここまでの話で月の満ち欠けと気血の盛衰は関係が深いことがわかったと思います。
また、東洋医学・鍼灸医学では精神活動が正常に働くには”血”が重要と考えており、
”血”が少なくなると、情緒が不安定になると考えます。
ですから、月の満ち欠けが身体にも精神にも影響するといえます。
また、昔中国では満月が3日間続き(厳密な観測が難しかったと想像されます)そのそれぞれに呼び名があります。
その3日目の月のことを”生魄”と呼び、新月を”死魄”と呼んだそうです。
この考え方を、今回紹介した「歳露論」と重ねてみると少し見方が広がるかと思います。