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なぜ毎回同じ治療じゃないのか?

2025.09.13

なぜ毎回同じ治療じゃないのか?


~良くなる過程で治療が変わる理由~


はじめに


東洋医学の治療を受けた方から、時々こんな質問をいただきます。


「この前と同じ症状なのに、今日は違うツボなんですね?」


確かに、西洋医学的なイメージだと「効く薬があればそれを飲み続ける」というのが基本です。
細菌感染なら抗菌薬、高血圧なら降圧剤。原因がはっきりしていれば、それに効く薬を継続していくことで改善が期待できます。


でも東洋医学では少し違います。
同じ「肩こり」や「胃の不調」でも、治療のアプローチが毎回同じとは限らない。


むしろ、良くなっていく途中だからこそ“その時点での状態に合わせて治療が変わる”のです。


良くなる中で“関与する原因”が変わる


東洋医学では、症状の背景にある原因を「寒」「熱」「虚」「実」「湿」などの概念でとらえます。
ただし、これらの関与の仕方は固定されているわけではありません。


たとえば肩こりで来院した患者さん。
最初は「寒さと血の滞り」が強く出ていたとします。鍼で血流が改善し寒さの影響が減ってくると、次は「ストレスによる肝気の滞り」が前に出てくる。さらに体力が落ちている人なら「気虚」が残って疲れやすさが表に出てくる。


つまり、良くなっていく中で “関与する原因の比率が変わっていく” のです。
そのため、治療もそれに合わせて変えていく必要があるわけです。


季節の移ろいと似ている話


この考え方は、自然界の季節の変化にとても似ています。


春から夏にかけては、春の余韻を残しつつ夏の暑さが加わる。
秋は乾燥が中心だけど、夏の疲れがまだ体に残っている。
冬は冷えが主役だけど、秋の乾きがベースにある。


季節はガラッと入れ替わるのではなく、少しずつ比率を変えながら移り変わっていく
人の体の回復もまったく同じで、だから東洋医学の治療は「その時点で優勢になっている要素」に合わせて調整する必要があるのです。


まとめ


東洋医学の治療は「毎回バラバラ」なのではなく、回復の過程に合わせて調整しているというのが本当のところです。
体の状態は、季節のように少しずつ移ろいながら変わっていく。
その変化に寄り添い、治療内容を柔軟に変えるのが東洋医学の魅力です。


患者さんからすれば「今日は違うツボ?」と驚かれるかもしれませんが、それはむしろ「体が良い方向に変化しているサイン」。
自然界の四季のように、体の内側も日々少しずつ景色を変えているのだと感じてもらえると、東洋医学の考え方がより身近に思えるのではないでしょうか。