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「普通がいい」という病を読んで。

2021.05.06

今回は珍しく本の紹介をしたいと思います。

先日、患者さんにおススメされた本

 

「普通がいい」という病

 

という本です。

(書籍タイトルがいいな~っというのが第一印象です!)

 

この本は精神科医で精神療法が専門の泉谷閑示先生が書かれました。

10章からなる本で、私は全編にわたって共感しながら読むことができ、

 

「普段感じていることを言語化してくれている!」

 

といった感じで頷きながら読むことができました。

 また、この本は何かを解説・説明するときに様々な書籍の引用を載せてくれています。

その引用からまた読みたい本を見つけることもできるのでそういった面でもいい本だと思います!

(おかげさまで、Amazonの欲しいものリストが5冊ぐらい増えました。。。)

 

私が面白いなーっと思ったところを簡単に2つ紹介します。

1つめは異常と正常。2つめは「頭」「心」「身体」の話です。

 

まずは異常と正常についてですが、これはきっぱり分かれているのではなく、実際はあいまいな境目があるといっています。

書籍の中で、

 

「正常と異常、健康と病気、そいうった区別がはっきりあるのだというようなものの見方では、大切な本質はみえてきません。」

「クライアント自身も『自分は異常なんだ』とか『私はどうせ病気なんだから』というように、自分に対して差別的な見方をしてしまっていることがかなりあります。」

 

このように語っており、クライアント(患者さん)自身が差別的な見方をすることで、問題は複雑になっていくことにも触れています。

長い間症状に悩んできた患者さんの中には、さまざまな葛藤があり客観的に自分の行動や思考を整理できていなかったり、普通に考えたらやめらたいい習慣があったり、いつの間にか悪い選択をしていることがあります。

 

 次に面白かったのは「頭・身体・心」の話。

この本の中で、人間の体の仕組みを理解するために「頭・身体・心」の3つに分けて解説をしています。

頭は理性の場、心は感情や欲望の場、身体は心と密接に連絡をし感覚の場であるとしています。

この中で、心と身体は密な関係で食い違うことはなく「頭」VS「心・身体」になり自分な中で内部対立が起きてくると言っています。

そして、「頭」を優先しすぎる中で、体調不良が起きてくる。

(詳細については本をちゃんと読んでくださいね!)

 

これはとっても共感をする所でした。

日々患者さんを診させてもらっていると「頭」で「身体」をコントロールし、その限界点を超えたときに大病になる方は多くいます。

また、「心」と「身体」は密接につながっているので、精神疾患の症状(身体)に注目して治療をする中で 『心』が健康になっていくことをよくあることです。

書籍の中で、この3つについて詳細に解説をし、どのように向き合っていけばいいかも解説してくれています。

(ニーチェの引用もあったりして楽しく、色々な角度から考えさせられました)

 

以前紹介したインナーゲームという本があります。

(インナーゲームのブログはこちら)

その本の中でも「頭」は悪者役になっていましたが、情報過多の現代人は「頭」を使いすぎていつも間にか「頭」を優先してしまう環境なのかと思います。

その環境を理解してどう対応するかが健康に生活する1つのポイントなのかもしれませんね!

 

ここには書ききれないぐらい興味深い点がある本なので、気になる人はぜひ読んでみてください!