
先日放送された、ガイアの夜明け”在宅医療”を見ました。
私自身、往診をしているので、とても関心がある分野の医療。
これからの”超高齢化社会・日本”には避けて通れない医療だと私は考えています。
ガイアの夜明けでは、
・ハイテク化・IT技術を使った在宅医療
・自宅で死を迎える在宅医療
この2つについて取り上げていました。
ハイテク化・IT化で在宅でも病院のように先生の顔を見て医療を受けられる。
これは、精神的にな面で患者さんが受けるメリットが大きいと感じました。
自宅で死を迎える医療。
こちらでは在宅専門の先生が実際に往診に伺う様子が映っていました。
1回目の往診で大切なのは、患者さんと仲良くなること。
往診では医療の技術もですが、違う技術も実は大切だったりします。
私が初めて往診をした時に一番最初に感じたことは、
『鍼灸師だから、素晴らしい鍼灸が出来たらいい‼…というわけにいかない。』
『実に様々な知識や経験が必要』
ということを痛感しました。
私の経験ですが、患者さんが転倒あと最初に会う医療人が”鍼灸師である私”の時がありました。
幸いにも鍼灸整骨院に勤めていたので、骨折鑑別診断の知識で何とか対応しました。
(もちろん、医師が来たらもう一度相談をして下さいと伝えましたよ)
在宅医療を受ける人は、病院に行ってレントゲンを受けることが想像以上に負担になるものです。
その疲れから、風邪をひき、肺炎になり…といったことも実際にあります。
また、治療の前に不信感を与えてしまい
『もう来なくていい』
そんな経験もしたことがあります。
・鍼灸師ではなく、医療人としての力
・人としての力
在宅医療はこの2つがないと成立しない厳しい現場だと思います。
この最低条件を一定備えた上で、
西洋医学とは違う考え方・捉え方の東洋医学としての鍼灸治療をする。
すると、驚くような効果を上げることがあります。
薬を飲んでも変わらない癌性疼痛が軽くなることや、もうずっと寝たきりと言われた人が歩行訓練をするまで回復したり。
在宅医療という医療現場においても、鍼灸治療が活躍する場所がある。
改めてそう感じました。