今回は、前回ご紹介した野口晴哉先生の『風邪の効用』をちょこっと紹介したいと思います。
この本は一般的な風邪と考え方が違うので、そこを中心に紹介したいと思います。
一般的に風邪をひいたら…
病院→咳止め、抗生物質…etcとなり、症状を抑えるような処置をします。
風邪とそれにまつわる症状は悪い物。という考え方です。
ですが、『風邪の効用』の中で、風邪に対してこのような見方をしています。
”体を使っているうちに、或る一部分が偏り疲労の潜在状態になって…風邪を引き、
風邪を引いた後、回復してくる。それで私は風邪は病気というよりも、風邪自体が治療行為でなかろうかと考える。”
このように、風邪を上手に使って体を回復させる。
風邪を抑え込もうっというより、風邪をきっかけに身体をいい状態に持っていこうという考え方です。
また、一部分が偏り疲労とありましたが、この疲労についても様々な例を紹介してくれています。
”頭を使い過ぎて頭が疲れても風邪を引く。消化器に余分な負担をかけた後でも風邪を引く。
腎臓のはたらきを余分にした後でも風邪を引く。”
このように様々な疲労で風邪を引くと言っています。
また、その疲れが溜まりやすい場所によって風邪の症状も異なるといっています。
一般的にこのような考え方はしませんかもしれませんが、東洋医学・鍼灸医学でもまったく同じです。
どのような身体に、どんな種類の風邪が入ったのか。
これによって症状も治し方も変わってきます。
一般の人も風邪に対しての考え方が変わる面白い本です。
また、野口先生はこんな人の風邪には第〇椎骨を…ということも言っていますので、診断や治療のヒントになるかもしれません。
ザクっとした紹介になりましたが、ぜひ読んでみて下さい!