― 季節の変わり目と“胃腸の熱”が招く風邪 ―
10月の施術を振り返ってみると、中旬ごろにのどの痛みや咳の症状を訴える患者さんが目立ちました。
気温の変化が激しく、朝晩の冷え込みが一気に増したこの時期。
体が季節の変化にうまくついていけず、「冷え」が入り込むことで風邪をひいてしまうケースが多かったように思います。
興味深いのは、風邪をひいて悪化した方の多くが「平素から胃腸に熱を持っていた」という点です。
東洋医学では、胃腸に熱がこもっていると上半身に熱が上がりやすくなり、
のどや気管支が乾き、炎症を起こしやすくなると考えます。
たとえば――
・普段から食後にのぼせる
・口内炎ができやすい
・辛いもの・甘いものが好き
・便が硬くなりやすい
こうした傾向がある方は、“胃腸の熱”を日常的に抱えているサイン。
そこに季節の「冷え」が入ると、体は中と外のアンバランスを起こし、結果としてのどの痛みや咳といった症状につながります。
一般的には「冷え」が風邪の原因と思われがちですが、
実際には「冷えが入るすき間を作ってしまう体」が根本にあります。
胃腸に熱がこもっていると、体の表面(皮膚や気のバリア)まで熱が上がり、
一時的に外との境界が緩みます。
そのタイミングで冷気が入りこむと、すぐに喉や気管に反応が出てしまうのです。
つまり、風邪を予防するには「冷えを防ぐ」だけでなく、
“内側の熱を整える”ことも同じくらい大切なんです。
この10月の経験から、私自身の反省点として感じたのは、
「もう少し早い段階で、胃腸の熱を抜く治療を強めてもよかった」ということです。
秋口は食欲の秋で、どうしても食べすぎ・飲みすぎが増える時期。
胃腸に負担がかかると、そこで生じた“内熱”が冬の風邪の呼び水になります。
今後は施術の中でも、体のバランスを見ながら「熱の整理」を早めに行い、
季節の変化に負けない体づくりを意識していきたいと思います。
風邪は外からの冷えだけでなく、内にこもった熱との“せめぎ合い”の結果として起こります。
のどや咳の症状が出るときは、体の中で何かが溜まっているサインでもあります。
これからさらに寒くなる季節。
体を温めることと同じくらい、“熱を溜めない”ことを意識して過ごしてみてください。