夕方、仕事を終えようとする頃や、夕飯の支度を始める頃になると、なぜか顔がカーッと火照る。首から背中にかけて熱がこもって、体温計を当てたら37度超え。
「病院で調べてもらったけど、異常なしって言われたんだよね・・・」
こういう方、実は結構いらっしゃるんです。検査で異常がないのは安心なはずなのに、本人は現実にしんどいワケで、「気のせいなんですかね?」とモヤモヤしてしまう。これ、めちゃくちゃしんどいと思うんですよね。
一般的には、熱というと「体の中で何かが燃えている(火力が強すぎる)」と思われがちです。
でも東洋医学では、この夕方の熱、「火力が強い」というより「冷却水が足りない」のかもしれないと考えるんです(;゚Д゚)
エンジンにたとえるとわかりやすいかもしれません。冷却水がちょっと減った状態で、朝から夕方までフル回転させたらどうなるか。夕方あたりでオーバーヒートしますよね。
そもそも東洋医学では、人の体は「陰」と「陽」のバランスで動いていると考えます。
・昼間:活動する「陽」が主役
・夜:休んで修復する、潤いと静けさの「陰」が主役
夕方は、この主役交代のタイミングなんです。日中がんばって働いていた熱(陽気)が、夕暮れとともに体の奥に戻って
、冷まされて蓄えられる。これが元気な体のリズムです。
ところが、このバトンタッチがうまくいかないと、熱が体の表面に浮いたまま残ってしまう。その原因として、大きく二つ考えられます。
① 冷却水が足りない:陰虚(いんきょ)
残業続きだったり、夜更かしが多かったり、気を張る日々が続いたり。そうすると、体を内側から潤して熱を鎮める「潤い成分」(津液〈しんえき〉や腎陰〈じんいん〉)がだんだん減っていきます。
受け止める冷却水がないので、行き場を失った熱が浮き上がって、微熱として顔を出す。夕方は陰と陽の交代時間なので、その不足が一番バレやすいんじゃなかろうか、というワケです。
② 熱の逃げ道が渋滞している:気滞(きたい)
ストレスで気の巡りが滞ると、日中に出た熱がうまく外へ逃げられなくなります。夕方、体が熱を内側に収めようとするタイミングで、その熱が行き場をなくして、蒸し風呂みたいなこもった熱感になる、という考え方です。
つまり、検査で「原因不明」と言われる夕方の微熱は、東洋医学から見ると、実はかなりわかりやすい体からのSOSなんです。
・潤いが足りなくて、熱を冷ませなくなっている(陰虚)
・巡りが滞って、熱を逃がせなくなっている(気滞)
数値に出る前の「乱れ」を見るのが、東洋医学の得意分野なワケです。舌の色や苔、脈の打ち方、手足の温度差など、体が出している小さなサインを総合して、「今、この人はどこに偏りがあるか」を読む。これを「証(しょう)」と言うんです。
だから「検査で異常なし=どうしようもない」ではなく、「数値に出る手前の段階だからこそ、生活と体質を整える余地があるんじゃなかろうか」と、僕は考えています。
では、日々の暮らしで何ができるか。難しいことはいりません。ポイントは「潤いを使いすぎない」「熱をこもらせない」の2本立てです。
① 15〜16時に、5分だけ手を止める
午後は体のエネルギーが下がって、陰陽のバランスが揺らぎやすい時間帯です。この時間に椅子に深く座って、目を閉じて、ゆっくり呼吸する。たった5分でも、夕方に熱がポンと浮き上がるのを和らげる「防波堤」になるかもしれません。
② 23時までに布団に入る
東洋医学では、潤い(陰液)が作られて修復されるゴールデンタイムは、夜23時〜1時の「子の刻」を中心とした深い眠りの間だと考えます。夜更かしは、せっかく貯めた冷却水を蒸発させてしまうワケです。
③食材で、やさしく潤いを足す
白きくらげ、山芋、百合根(ゆりね)、梨、黒ごま、クコの実など、体の奥をじんわり潤してくれる食材を、献立にちょい足ししてみてください。逆に、激辛の香辛料やお酒、ニンニクや生姜のとりすぎは、体の中に熱をつくって潤いを削りやすいので、微熱が気になる間は控えめにしておくと安心です。
夕方の微熱は、体が「もう潤いがない状態で走り続けるのはしんどいよ」と教えてくれているメッセージなのかもしれません。
熱を力ずくで抑え込むのではなく、足りない潤いを満たして、巡りを整えていく。そうやって体の声に耳を傾けていけば、夕暮れ時を、穏やかで涼やかに迎えられる日が来るんじゃなかろうか、と僕は思っています(゚∀゚)
・・・まあ、こんなことを書いている僕自身、夜更かししがちなので、まずは自分から23時就寝を目指します。