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毎月の生理痛は「渋滞」か「ガス欠」か。鍼灸師が教える見分け方

2026.10.28


毎月、鎮痛薬をカバンに忍ばせて、「今月も来たか・・・」と覚悟を決める。そんな方、けっこう多いんじゃないでしょうか。


「生理痛は体質だから仕方ない」「みんな我慢してるし」と、いつの間にか諦めモードになっている。外来で話を聞いていても、そういう方は本当に多いんです。


 


ここで、ちょっと視点をずらしてみます。


一般的には「生理痛=そういう体質」と思われがちですが、東洋医学では、生理痛は体からの「巡りが悪いですよ」「栄養が足りてませんよ」というお知らせだと考えます。つまり運命ではなく、サインなんですね。


そして、サインなら読み解けばいいワケです(*’∀’)


 


東洋医学には、痛みを考える大原則が2つあります。


・不通則痛(ふつうそくつう):通じざれば則ち痛む=詰まっているから痛い


・不栄則痛(ふえいそくつう):栄えざれば則ち痛む=足りていないから痛い


生理痛は、実はこのどちらかなんじゃなかろうか、と見るワケです。


① 詰まって痛いタイプ(不通)


東洋医学では、子宮のことを「胞宮(ほうきゅう)」と呼びます。ここは「気(エネルギー)」と「血(体を潤し養うもの)」がたっぷり満ちて、月に一度、流し出す場所です。


ところが、ストレスで気の流れが滞ったり(気滞)、冷房や冷たい飲み物で冷えが入り込んだり(寒邪)すると、血の流れがドロッと渋滞しやすくなります。これが「瘀血(おけつ)」です。


イメージは川です。狭いところで流れがせき止められると、水圧がグッと高まりますよね。あの状態で経血を押し出そうとするから、締め付けるような、刺すような痛みになるのかもしれません。


こんなサインがあれば、このタイプの可能性があります。


・生理の1〜2日目に痛みが強い


・経血に暗い色の塊が混じる


・押さえると痛みが増す


 


② 足りなくて痛いタイプ(不栄)


こちらは真逆です。生理の後半から終わった後に、鈍くて重だるい痛みが続く。温めたり、手でそっと押さえたりすると楽になる。そんな場合ですね。


過労、不規則な食事、無理なダイエットなどで、気血を作る力が追いつかなくなると、出し切ったあとの胞宮に栄養が届きません。いわば「ガス欠」で、シクシクと痛むんです。


・・・まあ、思い当たる方、手を挙げなくて大丈夫です(笑)


 


ここからが大事なところです。


東洋医学では「生理痛」という一つの名前で全員をひとくくりにしません。気・血・水がどう偏っているか、どの臓腑がお疲れか。その人の今の状態を「証(しょう)」と呼んで、そこを見ます。


だから、同じ生理痛でも、やることが全然違うんです。


・気が滞っている人には、巡らせる


・冷えている人には、温める


・足りていない人には、補う


詰まりを流し、冷えを温め、足りないものを補う。そうして「痛みを出す必要のない体の環境」を整えていく。これが東洋医学の考え方です。痛みを力ずくで抑え込むのとは、そもそも発想の方向が違うんですね。


なお、痛みが急に強くなった、いつもと違うといった場合は、まず医療機関での確認もしてみてくださいね。


 


じゃあ、今日から何をすればいいのか。ハードルの低いところから3つだけ。


1. 足首と腰まわりを冷やさない


足首のあたりには、肝・脾・腎という3つの経絡が交わる「三陰交(さんいんこう)」というツボがあります。巡りの大事な交差点みたいな場所なんですね。レッグウォーマーで守ってあげると、痛みが出やすい方には心強いかもしれません。生理の数日前から、下腹部や腰の後ろにカイロを貼るのもおすすめです。


2. 冷蔵庫から出したてのものを少し控えめに


冷たい飲み物や生野菜は、お腹の「火」を弱めてしまいがちです。そこで、生姜、シナモン、ネギ、黒糖など、体を内側から温めて巡らせてくれる食材を、日常にちょっと足してみてください。「全部やめる」ではなく「ちょっと足す」くらいで十分です。


そして、自分のタイプが分からない、いろいろ試したけど変わらない、という方は、一人で抱え込まず、鍼灸院で相談してみてください。タイプが分かるだけで、やるべきことがグッと絞れるんです。ちなみに生理痛が整ってくると、冷えやPMS、頭痛まで一緒に楽になる方も少なくありません。「全身のお得セット」みたいですよね(゚∀゚)


痛みを「我慢するもの」から、体の声に耳を傾けるきっかけに変えていく。毎月のサイクルが、そんな風に少しずつ優しい時間になっていくといいなあと、本気で思っています。